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新着情報
2015年01月24日

コモディティ投資は個人投資家にとって“無理ゲー”

ブルームバーグで「ワインファンド破綻相次ぐ」というニュースが伝えられてから、投資ブロガーさんたちもちょっと色めき立ってきました。やっぱり、この人のことが頭にあるんでしょうね(笑)。ワインに限らず、はっきりいってコモディティ投資というのは個人投資家にとって無用のものです。インカムゲインがないこと、流動性リスクの高さ、先物取引に伴うコンタンゴ(商品市場において期近価格よりも期先価格の方が高い状態)による限月乗り換え損失リスクはもちろんのこと、そもそも商品市場で投機行為を行うことは、限りなく“無理ゲー”に近いからです。

じつは私は仕事である商品のアナリストのようなこともしているのですが、商品市場で投資家が継続的に利益を出すことは非常に難しいと感じています。そもそも商品先物市場というのは投資家のために存在しているのではないからです。あれは、実需家が商品の売買価格を長期的に平準化させ、リスクをヘッジするためのものです。

小麦にしろ大豆にしろ、実需家は実際に商品の現物が必要なわけですから、相場動向によっては素直に現引き・現渡しをすればいいわけです。投機筋はそうはいきません。期日が来れば、たとえ損失が出ても限月を乗り換えるための売買を行わないといけません。だって、大量の大豆や小麦が手元にあっても、困るだけですから。だから商品先物市場の世界では「投機筋は実需家に絶対に勝てない」と言われています。

ジャンケンに例えると実需家はグー・チョキ・パーのすべてを出せるけれども、投機筋はグー・チョキしか出せないようなもの。完全に無理ゲーです。プロの投機筋ですらそうなのですから、一介の個人投資家が商品市場で勝てるはずがありません。そういえば昔、青木雄二がナニワ金融道のなかで「素人が商品先物に手を出すのは、ヘビー級のチャンピオンと勝負するようなもの(=万に一つも勝ち目がない)」といったことを書いていたのは至言でした。


ときどき「株や債券は倒産やデフォルトで価値がゼロになる可能性があるが、コモディティは最悪でも実物が残る」と主張する人もいますが、では手元に残った何トンもの小麦や大豆をどうするつもりなのでしょうか。ワインなら“飲んで楽しむ”ことぐらいはできるでしょう(しかし、やっぱり量に限界があります)。でも、それはもう投資とは何の関係もないことです。

そういうわけで私は、個人投資家にとって“コモディティ投資不要論”の立場をとっています。資産形成のための投資対象は、株、債券、REITで十分です。実物はせいぜい不動産ぐらいでしょうか。なにごともいきなりマニアックな方向に走ると、ろくなことがありません。

(それでもワイン投資に興味があるなら、こちらをどうぞ)

タグ:投資
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